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| 2001 | Le Pacte des Loups | ジェヴォーダンの獣 |
※ あくまでも管理人の視点による解説です。 <2>,<3> にはネタバレが含まれます。
| 18世紀フランス、ジェヴォーダン地方を舞台にした冒険活劇。 マークの役はモホーク族の司祭(シャーマン)のような存在の、マニ。 新大陸で覇権を争う英仏戦争に巻き込まれた村は滅ぼされてしまい、 彼を救ったフランス人のフロンサックと義兄弟となって行動を共にします。 < 1.ネイティブアメリカンの身体能力 > インディアンがなぜカンフーなんだ? マニは強すぎないか? という声について。 まずカンフーかどうかについては、かなりカンフー的ではありますが、監督・振付師とも「いろいろな動きの要素を取り入れたもので、カンフーというわけではない」と言っているのを素直に受け取ります。 見る者を感嘆させるアクションに何の文句がありましょう^^。 マニが強すぎないか? については、 "真面目に考えた結果として" あれでいいと思います。 「農場の少年」(大草原の小さな家 5)にこんなくだりがあります。 (郡の収穫祭で、一人乗り馬車の競争の場面) 「だれかが声をあげた。馬たちは、いっせいにトラックにとびだし、見物人のさけび声が、わあっと一つになった。けれども、つぎの瞬間、あまりのおどろきに、みんなは、しーんとしずまりかえってしまった。 一人のインディアンが、馬車のあとから、トラックを走りはじめたのだ。インディアンは、馬に負けない速さで走っていた。 (中略) 馬は、目にもとまらぬ速さで走りぬけ、そのあとを、軽々と走るインディアンが追う。観覧席の前にくると、インディアンは空高くとびあがり、宙がえりして着地すると、右手をあげて、みんなにあいさつした。 (中略) インディアンは、その千六百メートルを、一番になった馬とおなじぐらい速く、二分四十秒でかけたのだ。インディアンは、息をきらすでもなく、もう一度、大さわぎしている見物人に手をふると、すたすたと、トラックをでていった。」 (ローラ・インガルス・ワイルダー著 こだまともこ 渡辺南都子 訳) 論文ではないので根拠の正当性について突っ込まないでね^^;。 でも「大草原」のシリーズは、脚色もあるとはいえ基本的には経験したことを綴った 自伝的小説で、「農場の少年」は夫アルマンゾの少年時代のお話です。 この通りだったとしたら、すごいことですよね。 < 2.武器 > (ネタバレ含む) 登場した武器の中からふたつ取り上げます。 (1)棒(棍) 日本では棒術、中国では棍術があります。棍の場合、長さは約2.7m。 日本の棒術は直線的な動き、中国のものは棒がしなり、動きが曲線的です。 棒が作る円の中に敵を容易に寄せ付けず、振り回す棒は先端ほど速さと破壊力が増します。 冒頭のアクションシーンで、地面に突き立てた棒を支点にマニが蹴りをくりだすものがありますが、ほぼ同じような動きを「オンリー・ザ・ストロング」でも見ることができます。 (2)武術扇 モニカ・ベルッチが使う鉄製の扇。中国拳法の武器に同じものがありました。 ひらひらと煽る動きは一見優雅ですが、扇子の骨の先端は鋭い剣になっています。 ちなみに、彼女が武術扇を使ったシーンは、「必殺!モニカ姐さん」とついつぶやいてしまいます。 < 3.狼 > (1)映画の題名 フランス語の原題 Le Pacte des Loups は「狼の結社」というような意味です。 英題 Brotherhood of the Wolf は「狼の兄弟の絆」(直訳)。 これらの題だとジェヴォーダンを襲った謎の獣が狼なのか?と思ってしまいそうですし、邦題の「ジェヴォーダンの獣」は謎めいた雰囲気を出していて良かったと思います。 (2)トーテム モホーク族の信仰である「トーテム」が.この作品の重要なモチーフになっています。 人はそれそれ動物の魂あるいは守護神のようなものを持つというもので、マニのトーテムは狼です。動物、とりわけ狼と心が通じあい、また人のトーテムを感じとることができます。 (3)狼王ロボ (ネタバレ含む) 狼王ロボ、というのは私の連想です。作品中には出てきません(笑)。 「トーテムが同じ人間を傷つけることはできない」 この掟のために、マニは同じ狼のトーテムを持つ者に襲われたとき、動けなくなってしまいます。 無敵に強いのに、同胞への優しさが彼を破滅させる。 そのことが、シートン動物記の狼王ロボを思い出させるのです。 子供の頃読んだ記憶では、こんな話だったと思います。 ロボ(スペイン語で狼の意)と呼ばれる強大な狼がいた。 家畜を次々に襲い、どんな罠をしかけても捕らえることができなかった。 そこで、人間たちはロボの伴侶である雌の白い狼ブランカを捕らえ、ブランカを救いに現れたロボに銃口を向ける・・・・・。 マニの強さ、優しさ、気高さがロボと重なります。 |