Tea for Two

| 1.Tea for Two 縁側に並んで座って、梅の花を眺めている。 小さな緑色の鳥が枝から枝へ飛び移りながら、梅の蜜を吸っている。 「可愛いね。」 「可愛いね。(アナタもv)」 「あの鳥は、ウグイス?」 「うーん、惜しい。あれはメジロ。ウグイスだったら声も聞けて、最高だったね。」 「カッコウはいつ鳴くの?」(にっこり) 「えっ、カ、カッコウは、初、初夏に・・・・・。」 はぁぁ、びっくりした。どきどき。 「あっ、あのね、マーク、和菓子食べてみない? 梅を見ながら食べるのにぴったりの、春のお菓子なんだよ。」 ぱかん。重箱の蓋を開けて見せる。 「これ? ・・・あぁ、ほんとだ、春らしい色だね。何ていうお菓子?」 「うぐいすもち♪」 「うぐいすもち? そうかぁ、ウグイスはここにいたんだ。」 照れるなぁ。どうしてこう可愛いんだこの人は。 「私、これ大好きなの。どうぞ、食べてみて。」 「うん。」 ぱくっ・・・・。 「・・・・ゲホッ!ゲホゲホゴホッ、ケホッ! ・・・・ケホケホ、ケホッ。」 「だ、大丈夫?」 「ケホッ、ケホンコホッ・・・・・う・・・・ケホッ、うん・・・。」 大きな二つの目に、涙がいっぱい。耳まで真っ赤。 「ごめんねー! きなこのこと、ちゃんと言えばよかった。」 「だ、大丈夫だよ・・・・。」 「お茶、飲んで?」 「うん・・・・。」 ずずずず、とお茶を飲むマークは、妙にちんまりして見えました。 |
| 2.Two for Tea 「マーク、こっちのお菓子を食べてみない? これならむせないから!」 「これも・・・・春のお菓子? 鳥に関係してる?」 警戒心が出たらしい。 「してないしてない。これはね、桜もち! 桜のお菓子よ。」 「なんで葉っぱがついているの?」 「桜の葉なの。桜の香りが口中に広がって、美味しいんだよー。」 「・・・・もしかして、葉っぱごと食べる?」 「うんv」 「(・・・・お菓子なのに、木の葉を一緒に食べるのか・・・・?)」 「先に食べちゃうよ。」 ぱく。 「は〜〜、おいし〜。春、って感じがする〜。」 マーク、意を決したように、ぱくり。 「どう?」(にこにこ) 「(・・・・もごもご。・・・・ごくん。)」 ありゃ、また涙目!? 「甘いのにしょっぱいよ・・・・・。」 あぁ〜〜〜、恨まれそう><。 |
| 3.Lamb Lamb Lamb 「・・・・ごめんね。意地悪で選んだわけじゃないんだよ。ほんとに美味しいと思ったから・・・・。」 「うん、わかってるよ。」 「えーと・・・・マークは今までに『これは食べられない』と思ったものはある? 今日の和菓子以外で。」 「それは・・・・あるなぁ。」 「なになに?どんなもの?」 「・・・・・内緒だよ。」 「うん、誰にも言わない。」 わくわく。 「シェフモリモトが作った『カニ肉とメロン果汁のゼリー』。」 ぶはっ、あれかぁ! 「他には?」 「カザフスタンで出された、『子羊の脳みそ』・・・・・。」 「た、食べたの?」 「食べないわけにいかなかったんだよ。歓迎の気持ちを表す最高のもてなしなんだから。」 「・・・・すごいものをご馳走になったのね。」 「あんまり思い出したくないよ。」 はっ、しまった、また落ち込ませてしまってる? |
| 4.Love Love Love 「じゃ、じゃあ、『これなら絶対大丈夫!大好き!』っていうものは?」 「料理で?」 「料理でもお菓子でもなんでも。」 「・・・・・チョコレート。」 「はい?」 「チョコレートが、好きだ。」 やっぱり〜〜〜〜〜。 マーク、顔が赤くなってる。チョコレート好きでいいよ、それでこそマークだよっ! 「もしかしてそうかと思って、チョコレートも用意しておいたんだ。食べる?」 「えっ、ほんと?」 いきなり目を輝かせちゃって。ニッポンの情緒なんかよりチョコレートの方が嬉しいのねぇ。 「苺を使ったのを何種類か買ってみたの。プレーンなチョコレートもあるけど、この苺チョコはおいしいよ。」 と言いながら、薦めるのが不安になってくる。薦めた和菓子でマークをいじめたみたいになったから。 でもマーク、全然ためらわずに手を伸ばし、口に入れる。ぱくり。 「・・・・・美味しい。」 あ、顔がほころんでる。 「そう、よかった。」 「すごく美味しいよ! こんなに美味しい苺チョコは初めて食べた!」 「そんなに気に入った?」 「あぁ、チョコレートは色々食べてるけど、今まで食べたどのチョコレートよりも美味しいよ。 僕ね、チョコレート大好きなんだ。チョコレートだったら何でも食べちゃう。 あ、ウィスキーボンボンは別だよ、あれはお酒だから、あとラム酒が入っているのもダメかな。 でもチョコレートってほんとに美味しいよねぇ!」 今日一番しゃべってない?いや、ノッて来たときのマークがよくしゃべるのは知っていたけど。 「こっちのも食べてみる?」 「キットカットの苺味? わぁ、日本だけのオリジナルなのかな?」 もぐもぐ。 「は〜・・・・・。これもいいねぇ。」 わかったわかった、もう好きなだけ食べて。 ニッポンの伝統だろうが情緒だろうが、そんなことよりマークが喜んでくれれば本望ですよ。 Chocolate is sweet, and so you are too. |